【初心者向け】AWSとは
AWSとは
AWSとはAmazon Web Servicesの略で、Amazonが提供している100以上のクラウド コンピューティングサービスの総称です。
クラウド コンピューティングとは
クラウドコンピューティング(以下クラウド)とはインターネットを介して様々なコンピュータ サービスを利用することです。
コンピュータ サービスというのはサーバー、ストレージ、データベース、ネットワーク、ソフトウェア、分析、インテリジェンスなどです。
例えば個人でブログを開設したいと思いつき、サーバーを用意するとなるとサーバーの購入費用、CPU、ストレージ、メモリ、ネットワークなどを自分で設置、設定を行わなければなりません。またストレージの容量を増やしたりするときはさらに購入しなければいけなかったりします。逆に思ったほど使わなかったと思っても、すでに購入しているため料金を減らすことはできません。
そこでクラウドを利用すれば、手元に1台のPCとネットワークに接続さえしていれば、大容量のストレージや高速なデータベースなどを必要な時に必要な分だけ利用することができます。
物理サーバーとクラウドの違い
ひと昔は自宅や会社の中などに物理サーバー機器を設置して利用していました。この運用形態のことをオンプレミスと呼ばれています。オンプレミス環境を設置するためにサーバールームを用意したり、サーバの構築を行って、ネットワークの配線をしたり、サーバの管理をしなくてはなりません。このように初期投資費用が高くなってしまったり、環境が出来上がるまでに時間が多くかかってしまっていました。
クラウドはサーバールームの用意やサーバーの購入、構築までの待ち時間をなくすことができます。
クラウドのメリットとデメリット
クラウドのメリットとしてはサーバーなどを買い揃える必要がなく初期コストを安く抑えて導入できます。また、運用準備にかかるコストや時間が大幅に節約できるため、運用計画に遅れが生じにくくなる点もメリットといえるでしょう。
クラウドにもデメリットがあります。「セキリュティー面の不安」があります。クラウドではインターネット上でデータベースなどのサービスを利用していきます。そのため、機密情報などを保持している企業などが使用する場合抵抗感がある場合があります。
最大のデメリットは使用しているクラウド サービスが停止したら使用できなくなる点です。そんなのあたり前だと思われがちですが、意外と見落としやすい点です。クラウドサービスを展開している大手はGoogle、Amazon、Microsoftなどの超一流企業です。そのため信頼度が高くサービスが停止するなんてことは少ないんでしょと思うかもしれません。
しかし大手が展開サービスだとしても障害は毎年のように発生しているのが現実です。以下AWSの東京リージョンに限った話ですが、大規模障害が発生しています。
Amazon Web Services(AWS)の大規模障害
時期 | 概要 |
---|---|
2019年8月 | 東京リージョンの1つのアベイラビリティーゾーンにおいて、空調故障を引き金として仮想マシンサービス「Amazon EC2」やリレーショナルデータベースサービス「Amazon RDS」で障害が発生 |
2018年5月 | 米オハイオリージョンでインターネット接続に関する障害が発生。ほぼ同時期に米バージニア北部リージョンでもEC2などのサービスに障害が発生 |
2017年3月 | バージニア北部リージョンで、オペレーションミスによりオブジェクトストレージ「Amazon S3」の障害が発生。S3を基盤として使うEC2やイベント駆動コード実行サービス「AWS Lambda」にも影響が及んだ |
2016年6月 | オーストラリアのシドニーリージョンで電源トラブルがあり、同リージョンの一部でEC2の障害が発生 |
2015年9月 | バージニア北部リージョンで、ネットワーク障害を引き金としてNoSQLデータベースサービス「Amazon DynamoDB」の障害が発生。DynamoDBを基盤として使うメッセージキューイングサービス「Amazon SQS」などにも影響が及んだ |
AWSの導入事例
AWSはクラウドサービスのなかでトップシェアを占めています。AWSを導入している業界についてご紹介します。
https://aws.amazon.com/jp/solutions/case-studies/all/
ビジネスのスピードを加速させます。
●5つのポイント
コスト削減や俊敏性を高めビジネスの効率化、ビジネススピードの加速化しイノベーションの加速を実現
- ①豊富なサービス
- ②世界最上級の運用専門知識
- ③最もセキュアなセキュリティ基準
- ④安心できる情報網(コミュニティやパートナーの存在)
- ⑤まったく新しいテクノロジーを最速で提供し続けるサービスコンセプト
「カスタマイズがしづらい」点が挙げられます。クラウドでは、運用に変更を加えたくても業者に相談して許容範囲内でしか受け入れてもらえません。変更ができたとしても費用がかかるケースが多く、手軽にカスタマイズできるわけではありません。
AWSでできること
代表的な4サービス
一口にAWSといってもその中には100を超えるサービスがあり、それぞれできることが異なります。ここではその中でも代表的なサービス4つに絞って紹介します。
サーバー環境構築
Amazon EC2の特徴
- 必要な時に必要なだけの量を使用
- 使用した分だけコストが発生
- 変更可能なインスタンスタイプから性能を選択
- 数分でサーバを調達して起動できる
- 世界中のリージョンから起動場所を選択
- AMIからいくつでも同じサーバを起動できる
- セキュリティグループでトラフィックを制御できる
- OSを管理者権限で操作できる
- ユースケースに応じた料金プラン
仮想サーバーを数分で作成・利用できるサービスです。複数作成しての冗長化やCPU・ハードディスク・メモリの変更も簡単な操作で行えます。仮想ネットワークの環境も用意されているため、冗長化に際してネットワークを意識する必要もありません。
データ保存/コンテンツ配信
Amazon S3の特徴
- 無制限のストレージ容量
- 99.999999999%(イレブン・ナイン)という非常に高い耐久性
- インターネット経由でアクセス
S3を使用することで、ストレージの管理や冗長性、事前の容量を確保することを考えることなく、アプリケーションやサービスの開発に注力できます。
データベース利用
Amazon RDS
- Amazon Aurora
- MySQL
- PostgreSQL
- MariaDB
- Oracle
- Microsoft SQL Server
フルマネージドで管理負担を抑えられるデータベースサービスです。MySQLやPostgreSQL、Oracleといった主要なデータベースが画面上の簡単な操作で簡単に作成できます。冗長化・バックアップといった処理も画面上の操作のみで実行可能です。フルマネージドなので、もちろんデータベースサーバーを管理する手間もかかりません。パッチの適用もAmazon側で行ってくれます。「データベースを必要な時に作成して使うだけでよい」サービスです。
プログラムの実行環境
AWS Lambdaの特徴
- サーバの構築が不要
- サーバの管理が不要
- 一般的な言語のサポート
- 並列処理/スケーリング
- 柔軟なリソース設定
- ミリ秒単位の無駄のない課金
- 他のAWSサービスとの連携
サーバーの運用負担なしで、任意のプログラムを実行できる環境を提供するサービスです。AWSが提供する「サーバーレスコンピューティングサービス」として知られ、AWS Lambdaを使えば、サーバー(仮想サーバー)なしで任意のプログラム(アプリケーション・サービス)を実行することが可能です。またリクエスト単位での従量制課金となり無駄がない上に、100万リクエストまで無料なので、コスト削減も期待できます。
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