AWS EC2の選び方とコスト最適化で副業を黒字化

  • 2026.09.27
  • AWS
AWS EC2の選び方とコスト最適化で副業を黒字化

「副業でWebサービスを作ってAWSを使い始めたら、思ったより請求額が高くて驚いた」という声はよく聞きます。特にEC2はインスタンスタイプの種類が多く、何となく選んでしまうと無駄なコストがかさみがちです。実際、AWSの請求書を初めて見た副業エンジニアの多くが「使っていないはずの時間にも課金されている」「思ったよりストレージやデータ転送の項目が積み重なっている」と戸惑います。本記事では、EC2インスタンスの選び方の基本と、月々の請求額を数千円〜数万円単位で節約できるコスト最適化のコツを、副業でクラウドを使う方向けに分かりやすく解説します。読み終える頃には、自分のワークロードに合ったインスタンス選びと、無駄な支出を減らす具体的な行動がイメージできるはずです。

AWS EC2の選び方とコスト最適化で副業を黒字化

EC2インスタンスタイプの基本を理解する

EC2にはT系、M系、C系、R系など複数のファミリーがあり、それぞれ得意分野が異なります。例えばT3/T4gシリーズはバースト性能を持つ汎用タイプで、アクセスが少ない個人ブログや検証環境に向いています。M系はCPUとメモリのバランスが取れた汎用タイプで、中規模のWebアプリケーションサーバーに適しています。C系はCPU性能重視で画像処理やバッチ処理向き、R系はメモリ重視でデータベースやキャッシュサーバーに適しています。さらに近年はArmベースのGravitonプロセッサを採用したt4gやc7g系インスタンスも人気で、同等スペックのt3系と比べて価格が10〜20%程度安いケースが多く、コスト意識の高い副業ユーザーには特におすすめです。副業レベルの小規模サービスであれば、まずはt3.microやt4g.smallから始め、実際のCPU使用率やメモリ使用率をCloudWatchで観察しながら必要に応じてスケールアップするのが失敗しないコツです。最初から高性能インスタンスを選ぶと、使わない性能に毎月お金を払い続けることになります。逆に小さすぎるインスタンスを選んでCPUクレジットを使い切ってしまうと、アプリの応答が急に遅くなる「クレジット枯渇」も起こり得るため、CloudWatchのCPUCreditBalanceメトリクスも合わせて確認しておくと安心です。

料金プランを使い分けてコストを削減する

EC2の料金体系にはオンデマンド、リザーブドインスタンス(RI)、Savings Plans、スポットインスタンスの4種類があります。常時稼働させるサーバーであれば、1年契約のCompute Savings Plansに切り替えるだけでオンデマンド比最大40%前後の割引が受けられます。3年契約かつ全額前払いにすればさらに割引率は高まりますが、副業のように将来の構成変更が読みにくい場合は、まず1年契約・部分前払いから試すのが無難です。逆にテスト用途やバッチ処理のように中断されても問題ない処理には、スポットインスタンスを使うことで最大90%割引も可能です。ただしスポットインスタンスは需給によって中断されるリスクがあるため、本番の常時稼働サーバーには不向きです。副業では「本番用の常時稼働サーバーは1年RIまたはSavings Plans」「開発・検証環境はオンデマンドかスポット」というように使い分けることで、性能を落とさずにトータルコストを大きく下げられます。

不要なリソースを自動で止める仕組みを作る

副業でありがちなのが、開発環境を止め忘れて休日も稼働させ続けてしまうケースです。夜間・週末だけ使わない環境なら、Amazon EventBridgeとLambdaを組み合わせて毎日決まった時間に自動停止・自動起動するスクリプトを組むだけで、稼働時間を月の半分以下に減らせます。実装自体もシンプルで、Lambda関数からEC2のStopInstances/StartInstances APIを呼び出し、EventBridgeのcron式でスケジュールを設定するだけなので、プログラミング初心者でも1時間程度で構築可能です。また、AWS Compute Optimizerを使えば、実際の使用率データから「このインスタンスはオーバースペックです」といった推奨も無料で確認できます。加えてAWS Budgetsでアラートを設定しておけば、想定外の課金に早く気付けるため、副業の利益を圧迫するリスクを未然に防げます。さらに、使わなくなった検証用インスタンスをそのまま放置してしまうケースも多いので、月に一度はEC2ダッシュボードを見直し、不要なインスタンスやアタッチされたままの未使用EBSボリュームがないかチェックする習慣をつけましょう。

ストレージとデータ転送の料金も見落とさない

インスタンス代ばかりに目が行きがちですが、実はEBS(ストレージ)とデータ転送量も請求額を押し上げる要因です。汎用SSDのgp3はgp2に比べて同容量で約20%安く、さらにIOPSとスループットを個別に調整できるため、多くのワークロードでgp3への移行だけでもコスト削減につながります。また、インスタンスを削除してもEBSボリュームやスナップショットが残っていると課金が続くため、不要になったリソースは忘れずに削除することが重要です。データ転送についても、同一リージョン内のプライベート通信は無料または低コストですが、インターネットへのアウトバウンド通信は転送量に応じて課金されるため、画像や動画配信が多いサービスではCloudFrontなどのCDNを併用してオリジンサーバーへのアクセスを減らすと、EC2側の転送コストも抑えられます。

実践例:個人開発サービスでの節約シナリオ

ある副業エンジニアが、常時稼働のt3.medium(オンデマンド、月額約4,500円)でWebアプリを運用していたケースを見てみましょう。CloudWatchで確認したところ平均CPU使用率は15%程度で、明らかにオーバースペックでした。そこで本番用はt4g.smallに変更し、1年のCompute Savings Plansを適用したところ月額は約1,600円まで低下。さらに開発環境は夜間・週末を自動停止する設定にし、稼働時間を月720時間から約200時間に削減した結果、開発環境の費用も従来の3分の1以下になりました。加えてEBSボリュームをgp2からgp3に切り替え、不要なスナップショットを整理したことで、ストレージ関連の費用も月数百円単位で削減できました。合計すると月々の請求額は約6,000円から2,500円程度まで下がり、年間で4万円以上の節約につながった計算になります。

AWS EC2の選び方とコスト最適化で副業を黒字化

よくある質問

Q. 副業レベルなら無料枠だけで運用できますか?
A. AWSの無料枠はt2.microまたはt3.microを月750時間まで12ヶ月間無料で使えますが、期間終了後や無料枠対象外のリージョン・サービスを使うと課金が発生します。無料枠終了時期をカレンダーに登録しておくと安心です。

Q. インスタンスタイプ変更で作業中のサービスは止まりますか?
A. インスタンスタイプの変更にはインスタンスの停止が必要なため、数分間のダウンタイムが発生します。アクセスの少ない深夜帯に作業する、もしくはロードバランサー配下で複数台構成にしておくと影響を最小限にできます。

Q. Savings Plansとリザーブドインスタンス、どちらを選ぶべきですか?
A. インスタンスファミリーやリージョンを将来変更する可能性があるなら、柔軟性の高いCompute Savings Plansがおすすめです。構成がほぼ固定されているなら、リザーブドインスタンスの方がわずかに割引率が高い場合もあるため、AWSのコスト計算ツールで比較してから決めるとよいでしょう。

まとめ

EC2のコスト最適化は、特別なテクニックよりも「使っていないリソースに気付き、適切なサイズと料金プランを選ぶ」という地道な積み重ねが効きます。まずはCloudWatchで現状の使用率を確認し、オーバースペックなインスタンスがないか、また不要なEBSボリュームやスナップショットが残っていないかをチェックすることから始めてみましょう。小さな見直しの積み重ねが、副業の利益率を確実に押し上げてくれます。

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